久しぶりに体を動かした次の日、太ももやお尻がじんわり痛い。階段を下りるときに「いたた…」となる。そんな日に「今日も運動したほうがいいの?それとも休むべき?」と迷っていませんか。結論から申し上げると、ふだんの生活に困らない程度の筋肉痛なら、痛む部位を避けて軽く動くのはひとつの選択肢です。一方で、翌日の生活に支障が出るほどの疲れや痛みがあるなら、まずは休養をとり、次回の運動を控えめに調整するのが目安です。
この記事では、筋肉痛の日に運動前に確かめたいこと、筋肉痛のときに運動・筋トレをするかどうかの考え方、運動より先に医療機関へ相談したいサイン、筋肉痛をくり返さないための運動量の決め方を、順に整理します。運動の安全についての説明は、厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」、厚生労働省の健康情報サイト「健康づくりサポートネット」、厚生労働省の「重篤副作用疾患別対応マニュアル」を出典にしています。筋肉痛の日の動き方や運動量の調整、記録のつけ方は、LIFEPLUSからのご提案です。
筋肉痛の日は、まず「運動前の体調確認」から
久しぶりに運動した翌日や翌々日に、筋肉の痛みやだるさを感じることは珍しくありません。そんな日に「動くか、休むか」を決める前に、まず体調を確かめておきましょう。厚生労働省のガイドには、運動をする当日、家を出る前に行う体調確認のチェックリスト(15項目)が載っていて、次のように書かれています。
「1つでも「はい」がある場合は、無理に運動をせずに、休養をとり、必要に応じて医療機関を受診するなどの対処をしましょう。」
(厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」より)
15項目の中には、熱がある、睡眠不足で体調が悪い、胸が痛いといった項目と並んで、「足腰の痛みが強い」「体がだるい」が入っています。つまり、筋肉痛で足腰の痛みが強い日や、体がだるい日は、ガイドの目安では、無理に運動をせずに休養をとる日です。チェックリストの全項目は、ガイドの「身体活動・運動を安全に行うためのポイント」のページで確認できます。
筋肉痛のときに運動・筋トレはしていい?判断の3段階
筋肉痛のときに動くかどうかは、「痛いか痛くないか」だけでなく、その痛みでふだんの生活がどのくらい困っているかで分けて考えると判断しやすくなります。
1.生活には困らない程度の筋肉痛:痛む部位を避けて軽く動く
押すと少し痛い、階段で少し気になる、という程度で、家事や仕事はふつうにこなせる。上のチェックにも当てはまらない。そんなときは、痛む部位に強い負荷をかけるのは避けつつ、軽く体を動かすことも選択肢に入ります。心臓病や高血圧などの持病で、医師から運動の制限を受けている方は、その範囲の中で考えてください。制限があるか分からない場合は、かかりつけの医師にご確認ください。
たとえば脚が筋肉痛なら、いつもより短い距離をゆっくり歩く、脚ではなく上半身を中心に動かす、といった形です。筋トレをする場合も、痛む部位を追い込む日にはしないと考えておくと安心です。動いているうちに痛みが強くなってきたら、その日はそこでやめましょう(運動を中止するサインは、後半で詳しく紹介します)。
2.翌日の生活に支障が出るほどの疲れ:まず休養、次回は控えめに
起き上がるのがつらい、仕事や家事に差し支える、というほどの疲れや痛みが残っているときは、前回の運動が今の体には多すぎたサインと考えます。厚生労働省のガイドには、次のように書かれています。
「翌日に疲れが残るかどうかは、運動強度や運動量を考えるときの重要なポイントとなります。翌日の日常生活に支障が出るような疲れが生じるときは、強度や量が過剰となっています。まずは休養をとり、次回からは運動強度・運動量を控え目にするなどの調整が必要です。」
(厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」より)
ここでのポイントは、「休む」で終わらせず、次回の運動を軽くするところまでがセットになっていることです。同じ内容をもう一度くり返すと、また同じように疲れが残りやすくなります。重さ・回数・時間のどれかを減らしてから再開してください。
3.痛みが強い・腫れている・日に日に増す:運動は休んで医療機関へ
足腰の痛みが強い日は、先ほどのチェックリストのとおり、無理に運動をせずに休養をとる日です。さらに、運動中に「ピキッ」と痛んだ、特定の一点だけが強く痛む、腫れている、日がたつにつれて痛みが増していく、といった場合は、筋肉痛ではなくけがの可能性もあります。自己判断で運動を再開せず、医療機関にご相談ください。膝など関節の痛みについては「膝が痛いときは動かしていい?運動と休養の考え方をトレーナーが解説」でも整理しています。
筋トレは毎日でなくていい:休む日も運動のうち
「筋肉痛が治まらないうちに次の筋トレをしないと、効果が落ちるのでは」と心配される方もいます。ですが、厚生労働省のガイドでは、筋トレは「休息日」を前提にした頻度で推奨されています。
「筋トレを実施する際はしっかりと休むことも重要ですので、休息日を念頭に置いた「週2~3日」を推奨値として設定しました。」
(厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」より)
同じガイドでは、この「週2~3日」はあくまでも健康づくりを目指した筋トレの目安で、健康状態には個人差があることにも触れられています。また、健康づくりサポートネットの情報シート「筋力トレーニングについて」でも、「筋トレを実施する際は、筋肉にしっかり負荷をかけるとともに、休息日もしっかり設けることを意識しましょう。筋肉はこの過程を通して適応していきます。」と書かれています。
つまり、筋肉痛の日に筋トレを休むのは「さぼり」ではなく、運動の計画の一部です。筋トレをしない日は、散歩や家事などで軽く体を動かす日にあてる、という組み立て方もできます。運動を始めたばかりの方の週の回数の考え方は「40代から運動を始めるなら何から?きつくない始め方と週の回数」も参考にしてください。
運動より先に医療機関へ相談したいサイン
筋肉の痛みの中には、運動の疲れとは別の理由で起きているものもあります。次のような場合は、運動を続けたり再開したりする前に、医師や薬剤師に相談してください。
運動中に体調の異変を感じたとき
健康づくりサポートネットの情報シート「身体活動・運動を安全に行うためのポイント」には、次のように書かれています。
「運動中に、胸痛・動悸・めまいやふらつき・強い空腹感やふるえ・いつもと違う強い疲れ・関節や筋肉の強い痛み・冷や汗などの体調の異変を感じたら、直ちに運動を中止しましょう。」
(健康づくりサポートネット「「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」情報シート:身体活動・運動を安全に行うためのポイント」より)
「関節や筋肉の強い痛み」も、中止のサインに含まれています。筋肉痛が残っている日に動いていて痛みが強くなってきたら、「これくらい我慢できる」と続けずに、その場でやめることが大切です。痛みが続く場合は、医療機関を受診してください。胸の痛みや動悸、冷や汗、めまいが出たときは、治まっても自己判断で運動を再開せず、医療機関にご相談ください。
お薬を飲んでいて、思い当たる理由のない筋肉の痛みがあるとき
厚生労働省のガイドでは、運動時に注意が必要な薬の例として、次のように書かれています。
「脂質異常症治療薬(スタチン系):筋力低下や筋肉痛をきたすことがあり、注意が必要です。」
(厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」より)
また、厚生労働省の「重篤副作用疾患別対応マニュアル 横紋筋融解症」では、医薬品によって筋肉の痛みや脱力などが起こる場合があるとして、患者さん向けに次のように呼びかけています。
「何らかのお薬を服用していて、次のような症状がみられた場合には、放置せずに医師・薬剤師に連絡してください。」
「「手足・肩・腰・その他の筋肉が痛む」、「手足がしびれる」、「手足に力がはいらない」、「こわばる」、「全身がだるい」、「尿の色が赤褐色になる」」
(厚生労働省「重篤副作用疾患別対応マニュアル 横紋筋融解症」より)
同じマニュアルでは、この副作用はまれなもので必ずしも起こるものではないこと、また夏期には脱水や熱中症によってあらわれる場合があることも書かれています。お薬を飲んでいる方で、運動量に見合わない筋肉の痛みやだるさがあるときは、「運動のせいだろう」と決めつけず、処方した医師や薬剤師に相談してください。自己判断でお薬をやめるのは避けましょう。
お薬を飲んでいなくても、尿の色が赤褐色になったとき
同じマニュアルの医療関係者向けの部分には、次のようにも書かれています。
「医薬品が原因ではない横紋筋融解症は正常人においても激しい運動や局所の虚血・圧迫などでも生じるほか、代謝性ミオパチーや遺伝性筋疾患の特殊型などにおいて生じることが知られている。」
(厚生労働省「重篤副作用疾患別対応マニュアル 横紋筋融解症」より)
お薬を飲んでいない方でも、運動のあとに尿の色が赤褐色になった、手足に力が入らないといったときは、筋肉痛だと決めつけず、早めに医療機関を受診してください。
筋肉痛をくり返さないための運動量の決め方
筋肉痛のたびに1週間休んでしまうと、なかなか運動が続きません。LIFEPLUSからのご提案は、筋肉痛の強さではなく「翌日の生活への響き方」を目安に、運動量を少しずつ調整していくことです。
慣れてきたら、少しずつ負荷を上げる
健康づくりサポートネットの情報シート「筋力トレーニングについて」には、負荷のかけ方について次のように書かれています。
「負荷をかける際は、日常生活レベル以上の負荷を繰り返しかけ、慣れてきたら少しずつ負荷を高めていく(=漸進性過負荷の原則)ことが重要です。」
(健康づくりサポートネット「「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」情報シート:筋力トレーニングについて」より)
情報シートは、日常生活レベル以上の負荷をかけることも大切だとしています。そのうえで、筋肉痛の日の迷いを減らすためのポイントは「慣れてきたら少しずつ」の部分です。久しぶりの運動で「せっかくだから」と張り切りすぎると、翌日の生活に響く疲れが残りやすくなります。最初の数回は「少し物足りない」くらいで終え、慣れてきたら重さ・回数・時間のどれか1つを少しだけ増やす、という進め方がLIFEPLUSのおすすめです。
運動のあとはクールダウンを入れる
厚生労働省のガイドでは、ある程度の強度の運動のあとは5~10分ほどクールダウン(整理運動)を行う必要があるとしたうえで、その目的を「疲労回復の促進」「運動直後のめまいや失神の予防」「慢性障害や筋痛の予防」の3点に要約しています。運動を終えたら急に止まらず、ゆっくり歩くなど軽く動いてから終わりにしましょう。
「翌日どうだったか」を一言メモしておく
運動した日に、内容(何を・どのくらい)と、翌日の体の様子を一言ずつ書き留めておくと、次の運動量を決めやすくなります。たとえば次のような書き方です。
- 翌日「少し張るけれど生活は平気」→ 次回も同じくらいの量で続ける
- 翌日「階段がつらい・家事に響いた」→ 休養をとり、次回は回数や時間を減らす
- 翌日「何も感じない」が何回か続く → 様子を見ながら、少しだけ量を増やしてみる
筋肉痛の有無だけで運動の良し悪しを決めない、というのがポイントです。運動の変化を体重以外で確かめる方法は「運動の効果はいつから?体重が減らないときに見る、体重以外の変化」でまとめています。
日進市で無理なく運動を続けるなら
LIFEPLUS(ライフプラス)は、愛知県日進市岩崎町にあるコンディショニング専門のパーソナルジムです。「鍛える前に、まず整える」を大切に、マンツーマンのパーソナルトレーニング(1回60分)、少人数で行うセミパーソナル(1回30分)、8:00〜22:00にご自身のペースで使えるフリーエリアなどをご用意しています(サービス紹介)。
「久しぶりの運動で、どのくらいから始めればいいか分からない」「前に張り切りすぎて筋肉痛がつらく、そのままやめてしまった」という方は、体験の際にお気軽にご相談ください。体験では、きつい運動は行いません。体の変化には個人差があり、期間や数値をお約束することはできませんが、その日の体の状態に合わせて内容を考えていきます。
当施設は医療機関ではありません。気になる症状があるときは、まず医療機関にご相談ください。
出典:厚生労働省ホームページ「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」(筋力トレーニング・身体活動・運動を安全に行うためのポイント・内服薬の注意の各項)/「「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」情報シート:身体活動・運動を安全に行うためのポイント」(厚生労働省健康づくりサポートネット・執筆:平田昂大、小熊祐子)/「「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」情報シート:筋力トレーニングについて」(同・執筆:門間陽樹)/厚生労働省「重篤副作用疾患別対応マニュアル 横紋筋融解症」(平成18年11月)(独立行政法人医薬品医療機器総合機構ウェブサイト掲載)。いずれも2026年9月22日に内容を確認しています。引用として示した文章は各出典の原文のままです。それ以外の出典の説明は、LIFEPLUSが各出典の内容を要約・編集したものです。
