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高齢者の低栄養とは?65歳を過ぎて体重が減ってきたら見直す食事と運動

「最近、食べる量が減ってきた」「ダイエットをしているわけでもないのに、体重が少しずつ落ちている」。65歳を過ぎてそんな変化に気づいたら、そのままにしないでほしいサインかもしれません。厚生労働省の「通いの場」のページでは、高齢期のやせは肥満よりも死亡率が高くなると説明したうえで、65歳を過ぎて病気でもないのにやせてきたら、まずはかかりつけ医に相談するよう呼びかけています。

 

この記事では、高齢者の「低栄養(ていえいよう)」とは何か、どのくらいの人が当てはまっているのか、自分の体格をどう確かめるか、そして食事と運動で何を心がければよいかを、厚生労働省の資料をもとに順に整理します。食事と運動の組み合わせ方は、愛知県日進市のコンディショニング専門パーソナルジムLIFEPLUS(ライフプラス)からのご提案です。

低栄養とは?「食べているつもり」でも起こる

低栄養とは、体を保つために必要なエネルギーやたんぱく質などが足りていない状態のことです。厚生労働省の「通いの場」のページでは、高齢者の食事でいちばんの課題は「低栄養」だとしています。食欲が落ちたり噛む力が弱まったりして、だんだん食事の量が減っていくこと、そして自分ではしっかり食べているつもりでも、エネルギーやたんぱく質が不足しがちになることが説明されています。

 

低栄養がなぜ大切なのかについて、厚生労働省の健康情報サイトでは次のように書かれています。

 

「低栄養はフレイルを招く重要な因子であり、また、転倒予防や介護予防の観点からも重要で、低栄養の予防は、健康寿命の延伸に繋がります。」

(出典:「高齢者の低栄養予防」(厚生労働省 健康日本21アクション支援システム 生活習慣病などの情報(e-ヘルスネット))榎 裕美)

 

ここに出てくる「フレイル」は、年齢とともに心身の力が弱ってきた状態を指す言葉です。同じページでは、フレイルについて「体重減少、疲れやすさの自覚、活動量の低下、歩行速度の低下、筋力低下の5項目のうち3項目以上に該当することによって、診断されます」と説明されています。5つの項目のひとつに「体重減少」が入っています。体重の変化は、見逃さないようにしたいサインのひとつです。フレイルそのものと、運動での予防の考え方は「フレイル予防・転倒予防のトレーニング」のページでくわしくご紹介しています。

65歳以上の約5人に1人が「低栄養傾向」

低栄養は、一部の人だけの話ではありません。厚生労働省の「令和6年国民健康・栄養調査」(2025年12月公表)では、65歳以上の高齢者のうち、低栄養傾向(BMI20以下)の人の割合は19.5%でした。おおよそ5人に1人の割合です。

 

国の健康づくりの計画「健康日本21(第三次)」では、BMI20以下の高齢者(65歳以上)の割合を13%まで減らすことが目標に掲げられています。目標と比べても、低栄養傾向の人はまだ多い状態といえます。

自分の体格を確かめる:BMIと「目標とする範囲」

体格の目安としてよく使われるのが、BMI(ビーエムアイ)です。計算式は次のとおりです。

 

BMI = 体重(kg)÷ 身長(m)÷ 身長(m)

例:身長155cm・体重50kgの場合 50 ÷ 1.55 ÷ 1.55 ≒ 20.8

 

では、どのくらいのBMIを目指せばよいのでしょうか。厚生労働省の健康情報サイトでは、年齢ごとの目標とする範囲が次のように紹介されています。

 

「食事摂取基準(2025年版)での目標とするBMIの範囲は、18~49歳は18.5~24.9、50~64歳は20.0~24.9、65歳以上は21.5~24.9と設定されています」

(出典:「肥満・メタボリックシンドローム予防の食事」(厚生労働省 健康日本21アクション支援システム 生活習慣病などの情報(e-ヘルスネット))林 芙美)

 

65歳以上では、範囲の下限が21.5と、若い世代より高く設定されています。先ほどの例(BMI約20.8)は、50〜64歳の範囲には入りますが、65歳以上の範囲には届いていません。同じ体格でも、年齢によって見方が変わるということです。厚生労働省の「通いの場」のページでも、BMIが21.5未満の方や、やせてきた方は要注意だとしています。

 

一方で、BMIは身長と体重だけで計算する目安です。「高齢者の低栄養予防」のページでは、高齢者は65歳未満と比べてBMIの範囲の下限が高く設定されていると説明したうえで、次のようにまとめられています。

 

「高齢者では、体重を厳格に管理することよりも、食事の質を考慮して、食生活を組み立てることが重要になってきます。」

(出典:「高齢者の低栄養予防」(厚生労働省 健康日本21アクション支援システム 生活習慣病などの情報(e-ヘルスネット))榎 裕美)

 

同じページの目標とするBMIの表には、「あくまでも参考として使用すべきである」との注も付いています。数字ひとつで良し悪しを決めるのではなく、「以前より減ってきていないか」という変化と、「何を食べているか」をあわせて見ることが大切です。

メタボ予防からフレイル予防へ切り替える時期

40代・50代のころは、健診でおなかまわりや体重を指摘され、「食べすぎないように」「やせなきゃ」と意識してきた方もいらっしゃるかもしれません。厚生労働省の「通いの場」のページでは、65歳を過ぎて、病気が理由ではないのに体重が落ちてきた場合は、「メタボ予防」から「フレイル予防」へ考え方を切り替える時期の可能性がある、という趣旨の説明がされています。

 

長年の習慣で、年齢を重ねてからも「控えめに食べるのが体にいい」と思い込んだままになっていないか、一度ふり返ってみてください。とくに、意識して減らしているわけではないのに体重が落ちてきている場合は、自己判断で様子を見続けず、まずはかかりつけ医に相談するのが先です。

 

なお、持病の治療のために医師から体重を減らすよう言われている方や、食事の量や内容について指示を受けている方は、その指示が優先です。この記事の内容と食い違うと感じたときは、主治医にご確認ください。

なぜ高齢になると食べる量が減るのか

食べる量が減る理由は、ひとつではありません。「高齢者の低栄養予防」のページでは、次のような要因が挙げられています。

 

「老化による生理的変化として、口腔内の歯の欠損や義歯の不適合により食欲が減退することがあります。飲み込みが悪くなり(嚥下機能障害)、食事量が減ってしまうこともあります。また、高齢者は、多くの疾患が併存していることから、多くの薬剤が処方されており、副作用により食欲低下が起こっていることもあります。配偶者や知人との死別等による精神的なストレスも低栄養の要因となります。独居、高齢者世帯などの環境の変化や行動範囲の低下により、欠食や食物の摂取不足を招いていることも要因として挙げられます。」

(出典:「高齢者の低栄養予防」(厚生労働省 健康日本21アクション支援システム 生活習慣病などの情報(e-ヘルスネット))榎 裕美)

 

歯や入れ歯、飲み込み、薬、気持ちの落ち込み、ひとり暮らしや外出の減少——。こうして並べてみると、「食べる量が減った」の裏には、食事の工夫だけでは解決しない理由が隠れていることがあるとわかります。思い当たるものがあれば、後半の「こんなときは、まず相談を」もあわせてご覧ください。

体重を落とさないための食事の心がけ

1.まずは3食、主食を抜かない

厚生労働省の「通いの場」のページでは、低栄養を予防するために、3食しっかり食べること、1日2回以上は主食・主菜・副菜を組み合わせて食べること、いろいろな食品を食べることの3つを心がけるよう勧めています。

 

「高齢者の低栄養予防」のページでも、1日1食や2食に偏らず、3食を規則正しくとることが勧められており、さらにエネルギーを確保するために、米・パン・麺などの主食を3食とるよう心がけることが勧められています。朝はコーヒーだけ、昼は軽く済ませる、という日が続いていないか、まずはそこから見直してみてください。

2.たんぱく質は「3食それぞれに」

筋肉量を保つうえで、栄養素の中でとくに重要とされているのがたんぱく質です。たんぱく質は、肉類、乳類、魚介類、大豆製品に多く含まれています。とり方については、次のように説明されています。

 

「1日1食や2食などの偏りのある食生活ではなく、1日3食を規則正しく決まった時間に摂り、さらに3食毎にバランスよく、たんぱく質を多く含む食品を摂取することを心がけることが、筋肉量の維持に繋がります」

(出典:「高齢者の低栄養予防」(厚生労働省 健康日本21アクション支援システム 生活習慣病などの情報(e-ヘルスネット))榎 裕美)

 

夕食だけしっかり食べて、朝と昼はたんぱく質がほとんど入っていない、という形になっていないかがポイントです。朝に卵や納豆、昼に魚の缶詰や豆腐を一品足すなど、「どの食事にも1品」を意識すると取り入れやすくなります。

 

ただし、腎臓の病気などで医師からたんぱく質の量を指示されている方は、その指示に従ってください。

3.作るのが大変な日は、頼れるものに頼る

毎食きちんと作るのは、ひとり暮らしや体力が落ちてきた方にとって負担になります。厚生労働省の「通いの場」のページでは、料理が大変な場合は、市販の総菜や缶詰、レトルト食品を活用することや、バランスの整った配食弁当を利用することも紹介されています。コーヒーに豆乳を加える、間食をヨーグルトなどのたんぱく質が多いものにする、といった小さな工夫も挙げられています。

 

「手作りでなければいけない」と考えるより、食べる量と種類を落とさないことを優先するほうが、続けやすい場合もあります。

運動は「食べる力」とセットで考える

筋肉を保つには、食事の見直しとあわせて、体を動かすことも大切です。「高齢者の低栄養予防」のページでは、筋肉量の維持には定期的な運動も欠かせないとしたうえで、たんぱく質の質を考慮したバランスのよい食生活と、個人の身体能力に合わせた適切な運動を普段から心がけることが、低栄養の予防になるとまとめています。

 

厚生労働省の「通いの場」のページでは、フレイル予防のポイントとして「栄養」「身体活動」「社会参加」の3つを挙げています。体を動かすことは筋肉だけでなく、食欲や心の健康にも影響するとされ、フレイルかもしれないと思った方は、今より10分多く体を動かすよう心がけることが勧められています。

 

いきなり特別な運動を始める必要はありません。散歩の距離を少しのばす、買い物に歩いて出かける、地域の集まりに顔を出すなど、「今の生活に10分足す」ところから始めてみてください。外に出る機会が増えれば、人と話したり一緒に食事をしたりするきっかけにもなります。ただし、体調がすぐれない日や、持病で運動の制限を受けている方は無理をせず、主治医の指示に従ってください。

こんなときは、まず相談を

その前に、相談を待たずに119番が必要な急な異変を確認しておきます。食事の場面でも起こりえます。消防庁のリーフレットでは、高齢者について「突然のこんな症状の時にはすぐ119番!!」として、次のような症状が挙げられています(一部を抜粋)。

 

迷わず119番

・物をのどにつまらせた

・顔半分が動きにくい、しびれる/笑うと口や顔の片方がゆがむ

・ろれつがまわりにくい

・突然、片方の腕や足に力が入らなくなる

・意識がない(返事がない)またはおかしい(もうろうとしている)

・その他、いつもと違う場合、様子がおかしい場合(高齢者は自覚症状が出にくい場合もあるとされています)

(消防庁「救急車を上手に使いましょう」令和7年12月発行 p.2「高齢者」より抜粋。リーフレットにはほかにも頭・胸・おなかなどの症状が載っています。迷ったときは、かかりつけ医や救急相談窓口に相談するよう案内されています。救急相談窓口は地域によって番号や実施の有無が違うため、お住まいの市町村の案内をご確認ください)

 

119番ほどではなくても、次のような様子があるときは、食事や運動の工夫より先に、早めにかかりつけ医などに相談してください。この一覧は、この記事で紹介した厚生労働省の資料の内容をもとに、LIFEPLUSが相談先の目安として整理したものです。

 

・病気でもないのに、やせてきた/意識して減らしていないのに体重が落ちている → かかりつけ医へ

・食欲がない、食事の量が減った状態が続いている → かかりつけ医へ

・歯が抜けたままになっている、入れ歯が合わない・噛みにくい → 歯科へ

・飲み込みにくい、食事中によくむせる → かかりつけ医へ(食べ物をのどにつまらせたときや、顔・言葉・手足の異変をともなうときは、上の119番へ)

・薬を飲み始めてから食欲が落ちた気がする → 医師・薬剤師へ(自己判断で薬をやめたり減らしたりしない)

・気持ちの落ち込みが続き、食事をとる気になれない → かかりつけ医へ

 

どれも「年のせいだから」とあきらめず、早めに伝えることが大切です。様子がいつもと違うと感じたら、この一覧より上の119番の目安を優先してください。

LIFEPLUSでできること

LIFEPLUS(ライフプラス)は、愛知県日進市にあるケア特化型のコンディショニング専門パーソナルジムです。「鍛える前に、まず整える」を大切にしています。当施設は医療機関ではないため、低栄養やフレイルの診断や治療は行っていません。そのうえで、かかりつけ医に相談して運動をしてよいと言われた方が、体を動かす習慣を無理のない形で続けるお手伝いはできます。

 

LIFEPLUSには、筋肉量や体脂肪を部位別に測定できる体成分分析装置「InBody」があります。体重の数字だけでなく、筋肉量がどう変わっているかを数字で確認しながら進められます。また、60歳以上の方を対象にした「イキイキ健康教室」もご用意しています(サービス紹介)。

 

食事の面からのサポートは、在籍している管理栄養士が担当しています(トレーナー紹介)。医師から運動や食事について指示や制限を受けている方は、その内容をお知らせください。体験ではきつい運動は行いません。体の変化には個人差があり、期間や結果をお約束することはできませんが、今の体の状態に合わせて内容を考えていきます。

 

当施設は医療機関ではありません。気になる症状があるときは、まず医療機関にご相談ください。

 

ご相談・体験のお申し込み

LIFEPLUS(ライフプラス)/愛知県日進市岩崎町西ノ平24

TEL 0561-59-8990

体験・入会の流れは こちらのページ でご案内しています。

 

出典:「高齢者の低栄養予防」(厚生労働省 健康日本21アクション支援システム 生活習慣病などの情報(e-ヘルスネット))榎 裕美/「肥満・メタボリックシンドローム予防の食事」(同)林 芙美/厚生労働省「食べて元気にフレイルを予防するために」(地域がいきいき 集まろう!通いの場)/厚生労働省「令和6年国民健康・栄養調査結果の概要」/消防庁「救急車を上手に使いましょう」(令和7年12月発行)。2026年10月13日に内容を確認しています。出典名を添えて囲みや「 」で紹介した文章は、出典の原文のままです。それ以外の出典の説明は、LIFEPLUSが出典の内容を要約・編集したものです。