「今度こそ」と決めて食事を見直したのに、2週間ほどで元の食べ方に戻ってしまう。減らしているつもりなのに数字が動かず、途中で嫌になってしまう。ダイエットのご相談で、いちばん多いのが「続かない」という悩みです。そしてほとんどの方が「自分は意志が弱いので」と付け加えます。ですが、続かなかった食べ方をよく伺っていくと、意志とは関係のない共通した型がいくつか見えてきます。この記事では、食事制限が続かなくなる5つの理由と、無理なく続けている方がしている工夫を整理しました。
続かないのは、意志の弱さが理由ではありません
食事制限が途切れたとき、多くの方は原因を自分の性格に求めます。けれど実際には、最初に決めたルールのほうに無理があるケースがほとんどです。仕事のある平日と休みの日で生活リズムが違う、家族と食卓を囲む、会食が入る——そうした事情を計算に入れないまま「毎日これを守る」と決めれば、守れない日が来るのは自然なことです。
もうひとつ、体の側の事情もあります。摂取するエネルギーを急に大きく減らすと、体はその状態に合わせて消費を抑える方向に働くとされています。つまり、減らせば減らすほど比例して結果が出るわけではありません。それなのに「頑張っているのに変わらない」という感覚だけが積み重なると、続ける理由のほうが先になくなってしまいます。
当施設には管理栄養士のAyaが在籍しており、一人ひとりの生活習慣や目標に合わせた食事サポートを担当しています(トレーナー紹介)。日々のご相談のなかで見えてきた「つまずきやすいポイント」を、ここから順にご紹介します。
食事制限が続かない5つの理由
理由1|最初の設定が、いきなりきつすぎる
「朝は抜く、昼はサラダだけ、夜は炭水化物なし」。始めた初日はできてしまうので、これで大丈夫だと思ってしまいます。ですが、こうした設定は続けられる上限ではなく、我慢できる限界に近いところで組まれていることが多いのです。
限界に近い設定は、体調が悪い日、残業した日、予定が入った日に真っ先に崩れます。そして一度崩れると「もうダメだ」と全部を投げ出してしまう。長く続いている方は、逆に「これなら疲れていてもできる」という低さから入っています。物足りないくらいの設定から始めて、慣れてから足していくほうが、結果的に遠くまで行けます。
理由2|「食べてはいけないもの」を決めてしまう
パン、白いごはん、甘いもの、揚げ物。禁止リストを作ると、そのときは管理できている気がします。ところが禁止した食べ物は、意識のなかでかえって存在感を増していきます。我慢の反動で食べてしまい、「食べてしまった自分」に落ち込み、その落ち込みからまた食べる——この往復が、続かない典型的なパターンです。
食べ物に善悪をつけるのをやめて、量と頻度の話に置き換えるだけで、この往復は起きにくくなります。「甘いものは食べない」ではなく「甘いものは午後に、いつもの半分の量で」。禁止ではなく調整にすると、守れなかった日も0点にはなりません。
「間食をやめる」→「間食は1日1回まで」/「夜の炭水化物を抜く」→「夜のごはんは軽めの1杯」/「お酒をやめる」→「飲むのは週2回、その日は揚げ物を頼まない」。ゼロにする指示ほど守れず、幅を持たせた指示ほど残ります。
理由3|体重計の数字だけで判断している
毎朝体重計に乗り、増えていた日は気持ちが沈む。この判断のしかたは、続ける気力をいちばん削ります。体重は水分量や前日の食事内容、お通じの状況などで日々変動するため、短い期間の上下だけを見ても、体の中身がどう変わったのかは分かりません。
大切なのは、減った重さの内訳です。当施設ではInBodyによる体成分分析を導入しており、体重だけでなく筋肉量・体脂肪量・部位別の筋肉バランスまで測ることができます(設備・マシンのご紹介)。同じ「マイナス2キロ」でも、その中身が脂肪なのかそれ以外なのかで、意味はまったく違ってきます。判断の材料が数字ひとつだけだと、うまくいっているときにまで不安になってしまうのです。
理由4|自分の生活リズムに合っていない
雑誌やSNSで見かけた食事法をそのまま持ち込むと、たいてい途中で無理が出ます。朝が早い方と夜勤のある方、家族の食事を作る方と一人分だけ用意する方では、現実的にできることがまったく違うからです。
たとえば夕食が21時を過ぎることが多い方に「20時までに食べ終える」と言っても、守れる日はほとんどありません。それより「帰宅前におにぎりを1つ食べて、帰ってからは主菜と汁物にする」というように、実際の生活のなかに置けるかたちに変換するほうが現実的です。良い方法かどうかより、自分の一週間に収まるかどうかで選んでください。
理由5|食事だけで何とかしようとしている
食べる量を減らすだけで体を変えようとすると、減らせる幅がどんどん小さくなり、行き詰まってしまいます。そのうえ、極端に食事量を落とした状態が続くと、体を支える筋肉の量にも影響することがあるとされています。
厚生労働省が令和6年1月に公表した「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」の成人向け推奨事項では、歩行またはそれと同等以上の強度の身体活動を1日60分以上(1日約8,000歩以上に相当)行うこと、加えて筋力トレーニングを週2〜3日行うことが推奨されています。座りっぱなしの時間が長くなりすぎないよう注意することにも触れられています(出典:厚生労働省ホームページ/同ガイドPDF 成人版の推奨事項)。
食事と運動は、どちらかを選ぶものではありません。動く量が少ないまま食事だけを削る組み立てになっていないか、いちど見直してみてください。
続けられている方に共通する3つの工夫
工夫1|変えるのは、一度にひとつだけ
食事の内容、時間、間食、飲み物。気になるところを一斉に変えると、どれも中途半端になり、うまくいかなかったときに何が原因だったのかも分からなくなります。まず1つだけ変えて、それが当たり前になってから次に進む。地味ですが、この進め方をしている方がいちばん長く続いています。
工夫2|記録を「採点」ではなく「観察」に使う
食べたものを書き出す方は多いのですが、それを自分の評価表として使ってしまうと、記録そのものが苦しくなります。記録は、良し悪しをつけるためではなく、傾向を見つけるためのものです。
「疲れた日の夜に甘いものが増える」「昼が軽い日ほど夜に食べすぎる」。こうしたパターンが見えてくると、対策は我慢ではなく段取りに変わります。昼をきちんと食べておく、疲れる曜日はあらかじめ夕食を用意しておく——こちらのほうが、気持ちに頼らずに済みます。
工夫3|「戻る場所」を先に決めておく
旅行、連休、会食。生活のなかには、どうしても崩れる期間があります。続いている方は、崩れないようにするのではなく、崩れたあとにどこへ戻るかを先に決めています。「連休明けの朝食からいつもどおりに戻す」と決めておけば、崩れた数日は例外で済み、そのままフェードアウトすることがなくなります。
①変えるのは一度にひとつ ②記録は採点ではなく観察 ③崩れたあとの戻り先を先に決めておく。いずれも「頑張り続ける」ことを前提にしていないのが共通点です。気力に左右されない仕組みにしておくほど、続けやすくなります。
減らす前に、いまの自分の体を知るところから
何をどれだけ減らすかを考える前に、まず今の状態を把握しておくと、遠回りが減ります。厚生労働省は、健康の保持・増進のうえで摂取することが望ましいエネルギーおよび栄養素の量の基準として「日本人の食事摂取基準」を5年ごとに改定しており、最新版は「日本人の食事摂取基準(2025年版)」です(出典:厚生労働省ホームページ・令和6年10月11日公表)。必要な量は年齢や体格、活動量によって変わるため、「みんなが減らしているから減らす」という決め方には無理があるということです。
当施設では、InBodyの測定結果をもとに、いまの体の状態を確認したうえで食事と運動の組み立てをご提案しています。あわせて、体組成データや目的に応じてビタミン・ミネラルとアミノ酸を調合するオーダーメイドサプリサーバー「GRANDE」も導入しており、栄養面から日々のコンディションを支える選択肢としてご利用いただけます。
なお、当施設は医療機関ではありません。体重の急な変化や体調の不調など、気になる症状が続く場合は、自己判断で食事量を調整せず、まず医療機関にご相談ください。
食事と運動をまとめて相談したい方へ
LIFEPLUS(ライフプラス)は、愛知県日進市にあるケア特化型コンディショニング専門のパーソナルジムです。「鍛える前に、まず整える」を大切にしており、いきなり追い込むのではなく、体を整えるところから始めていきます。管理栄養士のAyaによる食事サポートと、トレーナーによる運動の指導を同じ場所で受けられるので、「食事だけ」「運動だけ」で行き詰まっていた方にも取り組みやすい環境です。
運動の経験がない方、体を動かすことに不安がある方も、その日のコンディションに合わせて内容を調整しながら進めていきます。まずは一度、いまの体の状態を測るところからでも構いません。
